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2007年2月14日 (水)

ビヨンド the シー ~夢見るように歌えば~

 B0009ygwng09_1 久しぶりにケビン・スペイシーの映画を見た。本作は、ケビンが制作、脚本、監督、主演の四役をこなし、実在の歌手ボビー・ダーリンに対する尊敬と愛情が見て取れていい作品にしあがっていた。、アーチティストの自伝にありがちな、ドラッグ・虐待・家庭崩壊などがなく、とくに子どもの扱いもよく最後まで気分良く観ることができた。また、子役を使った演出も利いていた。確かに37歳でなくなった人物を演じるにはケビンは歳をとりすぎ(映画の冒頭で、付き人の義兄に「自分で自分を演じるのに歳をとり過ぎなんてことがあるか!」と言わせていたのには、あとで笑えた)てはいたが、それを補って余りある歌唱力!!ここまで歌えるとは!!前評判は聞いてはいたが、実際にこれほどのものとは聞くまではわからなかった。それから、コンサート中に実の母親を観客に紹介した後の、実母の抑制の効いたリアルな台詞にはおもわずないてしまった。

 いろんな味付けでみせる事ができる素材を、みごとケビン・スペイシー風に仕上げたというべき好感のもてる一本。

2006年12月16日 (土)

大停電の夜に

123  豊川悦司と田畑智子、それと田口トモロヲの演技がよかった。特に豊川悦司ははまり役だった。

 脇の宇津井健、淡島千影はさすが。画面がしまる。それに昔の俳優さんの声は聞き取りやすくていいね。

 導入部分がもう少しスムースに行けばもっとよかった。物語としては、観客にも想像させる余白もとってあって、クリスマスにこんなお話しもあってもいいかな、と思わせる佳作。

 この時期にもピッタリだし、少し疲れたカップルで観るのにはちょうどいいかも。

2006年7月21日 (金)

ウェザーマン

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 ひさしぶりにニコラス・ケイジの演技力が活きた映画。父親役のマイケル・ケインも渋い演技でストーリーに信憑性を与えていてよかった。

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 超えられない偉大な父、上手くいかない別れた妻子との関係、道で見知らぬ人に「ファースト・フード」を投げつけられる、ローカルTVのお天気おじさんという職業。それらすべてに対して、主人公のニコラス・ケイジは一生懸命立ち向かっていくのだが、ことごとく間が悪く、やることなすこと思いに任せず募るフラストレーション。それが、罵りの悪態となって口をつき、周囲を不快にし自分自身も傷ついていく。

 すべての原因は自分の人間性にある、と気づいているだけにその心の葛藤は深い。それを救ったのが、父親のマイケル・ケインの言葉。ピューリッツア賞受賞作家で、人々からの尊敬を集める人格者の父が、悩めるダメ息子に対して「人生はクソだ」と語りかける。このシーンがこの映画の山場。これをきっかけに、ニコラス・ケイジはあるがままの自分を見つめ、少し自分の人生を受け入れることを覚える。

 脚本とキャスティングがピッタっとはまった佳作。

 そう、人生とは天気予報と同じで、ちょっとした風向きでどうなるかわからないもの。人はみな、人生の悩める「ウェザーマン」なのかも知れない。

2006年7月18日 (火)

ドッグヴィル

Photo_54  主演は二コール・キッドマン、監督・脚本は「ダンサーインザダーク」のラース・フォン・トリアー。

 あらすじはコチラ

 映画の舞台となっている村の建物を、すべて地面に描かれた白線で表すという、演劇的な演出で3時間近い作品を最後までみせる監督とニコールの力量はスゴイ!

 実験的で挑戦的な作品で、何かを映画という固定観念を打ち破ろうとする監督の姿勢には好感が持てた。しかし、テーマとして人間の持つどうしようもない身勝手さや欲望、自己欺瞞、を扱っているのだが、ニコール・キッドマン(あの清楚で気品あるキッドマンが!)がその犠牲になる姿が見ていられない。(まあ、コレも監督の計算だろうけど・・・)

 キッドマンはただひたすら「右の頬を打たれれば、左の頬を差し出す」キリストのように無抵抗だ。(実際、首かせをつけられて村のメインストリートを行くシーンは、ゴルゴダの丘を登るキリストのようだった)それにつけこむ村人の業の深さ。特に、相手役のトム(ポール・ベタニー)のダメ男ぶりには、つい声に出して罵ってしまったほどだ。

 結局、慈悲深きわれらが二コールをいじめ抜き、悔い改めようとしない村人たちは、「ソドムとゴモラ」よろしく業火に焼かれてしまうのだが・・・。

 しかし、キッドマンは女優として貪欲やね~。個人的には、「奥様は魔女」のような肩の力が抜けたキッドマンのほうが好きなんやけど。

 キッドマンには、これからは「カサブランカ」のような映画に出てほしいね。

2006年7月 6日 (木)

ALWAYS三丁目の夕日

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物は無くとも夢のあった時代を、ストレートな手法で描いていて好感が持てた。はじめは、時代背景に出演者たち(吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子)が馴染んでないと感じたが、話が進むにつれその違和感は無くなった。出てくる二人の子役が上手い。

 韓流のラブストーリー同様、こんな素朴で素直なノスタルジックな物語も今の時代が求めているのかもしれない。

2006年7月 2日 (日)

記憶を消すなんて・・・

Photo_46  ジム・キャリーに期待して観たんだけど・・・。前評判も結構良かったんだけど・・・。「エターナル・サンシャイン

 自分の記憶を消すってことが、あたりまえに誰でも行っているって設定がまずどうも、最後までどうかなーと思って、ついていけなかった。それに、女が恋人の記憶を消す理由がよく分からないし、消された男も「それじゃあ自分も女の記憶を消してしまおう」なんて、安直過ぎませんか?結局、途中で男は記憶を消すことを拒否し、なぜか女の記憶も残っていて(というか元に戻ったのか?)やり直そう、でもまた記憶を消したくなるよ、それでもいいじゃない、それも恋愛のうちじゃない、みたいな終わり方。

 ま、記憶から消したいような恥ずかしい経験は数え切れない私ですが、それも自分の一部なんだと割りきっているので共感できませんでした。記憶を消してなんでもリセットできるとは思えないよなあ。

 余談ですが、日常生活をしていて何の拍子か、突然過去のハズカシイ出来事を思い出して、声をだして身悶えしたことはありませんか。私は一人で車を運転しているときによくあります。(*^_^*)

2006年6月28日 (水)

ようやくおススメ

 最近いい映画に当たらなくて、なかなか書く機会が無かったのですが、ようやくほっとする映画に出会いました。

 「イン・ハー・シューズ

Photo_44  キャメロン・ディアスの今風にいうなら「バカかわいい」らしさがよかった。それを際立たせていたのが、姉役のトニ・コレット。姉妹間の複雑な感情の揺れを上手く表現していて、地力のあるところをみせていました。

 それとなんといってもシャーリー・マクレーン!!彼女が、映画全体を締まったものにしていました。目だけで演技できる数少ない女優!学生時代、図書館のレーザーディスクで「アパートの鍵貸します」を観て以来、ボクの大好きな女優さんです。ジャック・レモンとのコンビ、最高の映画の一つですね。おっと、「イン・ハー・シューズ」の話しでしたね。

 ボクは、もともと家族愛や兄弟愛を描いた映画には弱いんですよ。

 脚本が良くて俳優が良くて、エンディングがいい、一見の価値ある佳作。まあ、最近後味悪い映画ばかり観ていたせいもあるけどね。

 

 

2006年3月31日 (金)

チャーリーとチョコレート工場

 Photo_32 ティム・バートンとジョニー・デップは最高のコンビだ。完全に二人の世界が実現している、というより他にない作品だった。

 毎度のことながら、ジョニー・デップの変わりようはスゴイ。歯並びの良い、こわばった作り笑いは、一瞬ジョン・トラボルタかとおもった。

 はじめと終わりに家族愛をテーマにじーんとさせといて、あとは全部ティム・バートンのやりたい放題、といった感じ。とくに工場の中でくりひろげられるウンパ・ルンパが演じるブラックなミュージカルが最高。どことなく小さいせんだみつおを思い出させるような奇妙な動きで、カーペンターズ風のさわやかな歌や、クイーン風のロックを歌ってあきさせない。

 ただ少し残念なのは、主人公の少年が、拾ったお金で買ったチョコレートが当たったことだ。原作もそうなのかも知れないが、私ならこうする。

 少年は、誕生日に両親からもらったチョコレートもはずれ、おじいちゃんのへそくりで買ってもはずれ、失意のなか街を歩いていると、靴磨きのおじさんが病気か何かで倒れる。しかし、おじさんが仕事を休むとその家族が困るというので、少年は自分の家族も貧乏で大変なのに手伝うことにする。そこへチョコレート工場の主、ウィリー・ウォンカがやってくる。少年はそうとは知らず、一生懸命磨く。するとウィリー・ウォンカが去り際にピカピカになった靴を見て一言。「サンキュー、出来立てのチョコレートみたいだ」といってチップをくれる。少年はそのチップを握りしめてチョコレートを買いに走る。ここからは、本編のゴールデンチケットが当たるシーンにつながる。

 いかがでしょう。このほうが、ラストでウィリー・ウォンカが父親に会いに行くのに、少年を誘う時の靴磨きのシーンにつながって、いいようにおもうんですが。

2006年3月28日 (火)

さすがティム・バートン

Photo_31 「コープス・ブライド」

 ティム・バートンが作ったアニメーションという情報しか入れずに観たので驚いた。最初は3Dアニメーションかとおもったら、全編これストップモーションアニメーションだったとは。

 パペットを少しずつ動かして、1コマづつ撮影していくという気の遠くなるような手法を使って、その映像を芸術の域にまで高めたのはさすがとしか言いようがない。オープニングのシーンは巻き戻して観てしまったくらい。特典映像の撮影の舞台裏は必見。本編より面白いかも。

 ティム独特のホラーファンタジーというのか、「シザース・ハンズ」や「マーズ・アタック」と同列の作品で、ユーモアのセンスも相変わらず。私の好みには合いました。とくに、「Mr.ボーン・ジャングル」という「Mr.ボー・ジャングル」のパロディのキャラクターが死者の世界のバーで、キャブ・キャロウェイを彷彿とさせるだみ声で歌いまくるシーンはよかった。

 主役の吹き替えはジョニー・デップ。もうこの人の存在自体が、ティムの世界に通じている。「チャーリーとチョコレート工場」もぜひ観なければ。

 ティム・バートンのこの路線は好きなんだけど、去年観た「ビッグ・フィッシュ」が私は一番好きだなあ。もっと「ビッグ・フィッシュ」のような映画も撮ってほしい。

 「ビッグ・フィッシュ」は一見ティムが撮ったといわれなければ分からないような、癖の無い極上のヒューマン・ファンタジーに仕上がっていて「ティム・バートンはちょっとついていけない」っていう人にはぜひ観てほしい。しみじみ、父子の関係について考えさせられてしまう良い映画ですよ。

 

2006年3月25日 (土)

なぜなんだメグ!

Photo_29  メグ・ライアン主演の映画で見落としていたので、レンタルで借りてきた。

 どうしてなんだ~メグ~

嘘だといってくれ~メグ~

こんな脚本の映画になぜ出たんだ。人物描写がまるで無く、ストーリーにもなんの工夫も無く、おまけにメグの最大のチャームポイントの笑顔が一切無い。こんな、無い無いづくしの映画を誰が見たいというんだ。しかも、ハードなベットシーンに必然性が無く、人物描写が脆弱なため見ているほうは感情移入ができず、うれしいはずのメグのヌードを直視できなかった(年齢的にもチョット・・・)。まだ「戦火の勇気」のほうがメグの笑顔は無かったが、脚本もよかったし脇を固めた俳優たちもよかった。

Photo_30  やはりメグはラブコメにかぎる。

そうだろ?

2006年3月21日 (火)

マラソン

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 あらためて、韓流映画の底力を感じた映画だった。自閉症を扱った映画はハリウッドでは「レインマン」「フォレストガンプ」「アイアムサム」など少なからずヒット作があるが、どれも健常者側から見て自閉症患者の驚異的な能力や、感動的なところをクローズアップした作品だった。しかしこの「マラソン」はもう一歩踏み込んで、自閉症患者の内面や、自閉症の患者がいる家族の葛藤、母親の悩みや本音に、観客を引き込んだ点においてハリウッド映画を上回っている。

 この映画は監督・脚本・役者の三拍子そろっているが、特に脚本と監督の演出には賞賛を惜しまない。

 自閉症の子を持つ母親としては、言われたくない台詞をマラソンのコーチや、自分のもう一人の子どもにしゃべらせ、逆に母親が日ごろ口に出来ない本音や不満を、夫やコーチにぶつける。このリアリティもこの作品をハリウッド的なサクセスストーリーや、お涙頂戴ものとは一線を画している点である。

 演出も周到で、香港映画が台頭してきたときにも感じたが、良い映画の良いところをたくさん吸収してるのがわかる。

 雨のシーンや、母親が主人公の手を放すシーンは形を変えて繰り返し使っていて効果的である。主人公がマラソンをしながら、沿道の人々とハイタッチをしながら、どんどん心が解き放たれていくシーンも秀逸。

 感情を上手く表せないとされる自閉症の主人公の気持ちをラストの笑顔で表現しきったチョ・スンウの演技にも脱帽。チョ・スンウは「ラブレター」で始めて知ったのだが、役作りに誠実さと、天才的な感性との両面を感じさせるすばらしい役者だ。

 最近アメリカの高校であった、自閉症の生徒が起こした「奇跡の3ポイントシュート」もすでにハリウッドで映画化の話があるらしいが、インタビューを見ただけでも薄っぺらなものになりそうで心配だ。ぜひこの監督で韓国で映画化すべきだ。

2006年3月15日 (水)

シンデレラマン

B000bnczwc01 ボクシング映画は、やっぱりいいね~。単純明快、ハングリー、サクセス、手に汗握る格闘シーン。

 でも、思わず泣いてしまったのは、子供が盗んだサラミを肉屋へ返しに行ったあとのラッセル・クローと子役との会話。油断して見ていたら、子役の演技が涙腺に突き刺さってしまった。

あと、やっぱりボクシング映画に欠かせないのは、味のあるセコンドと影で支える女性の姿。「シンデレラマン」はその両方を備えていて秀逸。

最近、ボクシング映画かと思って見た「ミリオンダラー・ベイビー」が尊厳死の映画で、しかも後味が悪かったのでこの映画で口直しできてよかった。